90’s音楽研究所

90年代に流行った楽曲についての考察を行うブログ

「突然」 FIELD OF VIEW 

記念すべき第一回目は、FIELD OF VIEWの「突然」です。

 

なぜ突然この楽曲を選んだかというと、完全に自分が最近よく聞いているからという理由だけなのですが、改めて名曲だなーと再確認しています。

 

さて、95年に発売されたこの楽曲は、「作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし」という90年代のビーイング最強の布陣で製作され、ミリオンセラー(122.4万枚)を達成しています。

 

なんといっても、当時のポカリスエットのCMの爽快感はハンパなかったように記憶しています。

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 90年代は、特にCMやドラマとのタイアップがCDセールスにおける重要な要素のひとつとなっていましたが、この曲に関しては商品、CM、楽曲とボーカルの声、の爽快感が最高にマッチした完璧なコラボだと思います。

 

この前後にもZARD揺れる想い」や、DEEN瞳そらさないで」などがポカリとタイアップしており、現代にも続く「ポカリCM」+「清涼感のある楽曲」=「大ヒット」の公式が出来上がっています。

 

さて、楽曲についてですが、この曲はJPOPで使われるド定番の構成で作られています。

いわゆる「Aメロ→Bメロ→サビを繰り返し」&「ど頭からインパクトのあるサビで入る」というパターンです。

 

また、これも90年代(特にビーイングの鉄板)の楽曲でよく出てくる手法となりますが、サビ頭の歌詞=曲タイトルとなっています。

 

上記のような構成や手法は定番中の定番ではあるので、場合によってはそれ自体で陳腐に聞こえてしまうこともありますが、インパクトのあるメロディ、歌詞でやるとこんなにも効果絶大だということがわかりますね。

 

この様に鉄板の手法で作られた「突然」ですが、個人的にこの曲のミソとなっている点は2つあると思っています、

 

ひとつは、アタマのサビと通常のサビどちらも「突然〜」という歌詞で入っているのですが、メロディ(正確には符割)が異なるという点です。

 

通常、サビは歌詞によって多少の符割は違えど、基本的にはだいたい同じメロディが繰り返されることが多いのですが、この曲ははじめのサビのみ比較的間延びした符割となっています。

 

2つのサビどちらもインパクトがあるのですが、あえてアタマのみ少し間延びした符割にすることによって、本サビの美しいメロディがより際立っているのではないかと思います。

 

ふたつ目は、何と言ってもインパクト絶大な「突然」というタイトル

今でこそ何の違和感もないタイトルに聞こえますが、当時特にロックバンドと言われる人たちの曲では英語のタイトルや、またはもう少し長い、文章的な日本語のタイトルが定番だった様に思います。

 

そんな中「突然」という歌詞、ましてや曲名にあまり似つかわしくない漢字二文字のみのタイトル。その字面だけでは内容が想像できないものの、一度聞いただけで印象にのこるこの曲名は絶妙だと思います。

 

さて、清涼感、爽快感という言葉がぴったりなこの曲ですが、何がそうさせているかというと、これもいくつかの要素があるかと思います。

 

もちろんメロディは重要なひとつですが、そのほかに編曲も曲のイメージを左右していて、曲アタマのコーラス、ドラムロール、全体的な強めのリバーブ感やBメロギターのディレイ、サビメロディとユニゾンするシンセ音、あたりがこの曲の爽快感を演出している様に感じます。

 

また、よく声にも表情があると言われますが、ボーカル(浅岡さん)の声に関しては、明るさや誠実さという言葉がぴったりだと思っています。

透明感のある透き通る声であり、さらにはっきりとした発音でストレートに歌うスタイルが、誠実さや清涼感を感じさせてくれます。

 

第一回目ということもあり長くなりましたが、そんなことを意識しつつ実際の曲を聞いてみると、少しでも共感していただけるかも。

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